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美唄市長に就任し、2年半が経ちました。行政経験が無かった私ですが、首長としての在り方を職員の皆さんや先輩首長から吸収しつつ、医療・介護・福祉・経済・農業など私なりの経験や知識、人脈を活かし、様々な問題に公正で適切な対応をすることができていると考えています。
これまでを振り返りますと、まず頭に浮かぶのは職員の法令違反及び逮捕・起訴された職員への対応です。法令違反については、認識不足等により適正な事務手続ができなかったことを改めてお詫び申し上げるとともに、不手際・ミスによる法令違反が起こらないようコンプライアンス研修などをとおして組織ぐるみで取り組んでいます。職員の逮捕においては美唄市が背任行為の被害者となりました。美唄市の情報発信が判決に影響を与える可能性があるため、裁判が終わったタイミングで、改めて詳細な経過及びコンプライアンス委員会におけるその後の対応などについてご報告させていただきます。
私が新卒で入社した外資系企業では、全社員が毎年、1日かけてのコンプライアンス研修を受けなければなりませんでした。美唄市役所は過去にも法令よく守るの逸脱を起こす職員を生み出しましたが、一過性の対応で、継続的な意識付けや投資が無く、コンプライアンスは、個人任せの非常に脆弱な環境にありました。組織として、研修や問題を事前に回避できる仕組みづくりを定期的に見直しながら行うことで、市民の皆さんからの信頼回復及び職員が意識高く働ける環境づくりに努めてまいります。
他方では、素晴らしいことも多くありました。
永山竜樹選手の活躍、道道美唄富良野線の開通、美唄産雪ウナギの実現と拡大、スノーランド美唄の活況、美唄ブラックダイヤモンズの進化など上げればきりがありません。上記に加え、観光においては、さくらまつりや歌舞裸まつりを始めとする各種イベントの参加者や認知など規模は拡大していますし、西武三軍の誘致やクライミング施設の人員拡充を背景に流入人口は着実に増加しています。
政策の実現としては、物価高騰対策臨時特別給付金の支給や継続的なびばい応援券の発行、間口除雪要件の拡充、AIデマンドバスのるーと美唄の稼働、市立美唄病院の医師確保と総合診療医を核とした「一次救急」「高齢者救急」を担う医療体制の確立は確実に進んでいます。
子どもたちの環境としては、市内全小中学校へのエアコン設置、農業科や子どもとまちの未来会議、美唄まちづくり部、ビバラボなどをとおした非認知能力の向上推進、PITAAAN!に象徴されるデジタル教育の推進、運動に親しみ、集中力を育てるコオーディネーションプログラムの推進、AIドリルなどによる子どもたちの理解度に沿った学びの提供、小学生の大阪万博参加や中学校におけるタイやインドの学生との交流など世界を知る機会の拡充などを進めてきました。
今年は役所での手続時の負担を軽減する、書かない窓口の導入による窓口改革をスタートさせ、来年度に向けては、0-2歳の保育料無償化、防衛予算を活用したスキー場リニューアルのスタート、空知工業団地への企業や大型イベントの誘致、NFTやデジタル通貨(トークン化預金)を活用した外部からの投資の流入、美工跡地から駅前に至る中心市街地の将来像の構築、高齢世帯への新たな見守りサービス提供、災害時の避難所でもある総合体育館へのエアコンの設置、市立美唄病院における訪問診療の拡充と医療人材育成拠点化など皆さんの暮らしを守る事業、そして未来への投資としての事業をさらに推し進めてまいります。
市長としての毎日は、様々な課題に直面し、街を持続可能な状態に持っていくには本当に時間がないという危機感に加え、これまで先送りにされてきた問題があちこちで限界を迎えて、市民生活に影響を及ぼしていることへの対処に追われる日々です。
その一方で、市内外で美唄について聞く言葉はどんどんいい話の割合が増していると感じています。あそこにお店ができたね、美唄はおもしろいことをしているね、そんな会話が生まれ始めています。実際に、私は市外の様々な方から、最近の美唄について「すごいね」「おもしろいね」と言っていただくことが確実に増えています。市民の皆さんの挑戦が街に希望をもたらしてくれています。感謝いたします。
まだまだ美唄市はまちづくり後進自治体です。人口や街のサイズに関係なく、持続可能性を高めてきた、お手本にすべき街は道内外にたくさんあります。私は挑戦を重ねて、美唄もまちづくりの先進地として、次世代に引き継いでいけるよう、今年も全力で前進を続けます。
令和8年1月
美唄市長 桜 井 恒