記載した数値の把握方法
 6 万羽を越えて宮島沼に飛来するマガン数を、正
確に把握するのは大変困難である。いつ頃どこで計
数するのか、ここ数十年来取られてきた計数の方法
について述べる。
 一般に、ねぐらのマガンは、夜明けに採食地に出
沼し、好天ならば9 時ころから沼に戻って休む(1)。
午後に再び餌場に出向き、夕日が沈む頃沼に入る
(2)という生活パターンを取っている。
 全数を知るためには、(1)の沼に浮かんだ数をか
ぞえることでも可能であるが、全数が沼に入ってい
るとは限らないし出入りなど群れの動きもあって全
数把握には無理が生じる。
 そこで、(2)の時刻帯を使い数える。全部のマガ
ンが、沼に向かって餌場各地から一斉にねぐら入
りするその大凡20~30 分間の飛来数を計るので
ある。 絶対数が少なかった以前には、沼に浮か
ぶ個体数をビデオやスチール写真に納めて数えた
ことも出来たが、この方法では現在の飛来数の多
さからみて、時間もかかるが影の重なりもありかえ
って不正確な数値となる。また、マガン数が飽和状
態となった宮島沼を嫌うのか、決して雁にとっては
住み良い環境と思われない狭い手形沼や三角沼
をも、ねぐらに使う群れが出ていることから、(2)の
方法だけでは全数を掴みきれない状態であること
も心しておきたい。
 以下、ここで採用の計数マニュアルを詳述する。
1 定点定時観測
 ①〔定時〕マガンがねぐら入りする時刻を探して
   決める。その日の天候によって異なるが、
   おおよそのメドは16 時から19 時の間を使う。
                         (例参照)
 春季 マガンのねぐら入りは、18 時20 分前後の日
    没を挟んでの17~19 時となる。
 秋季 日没は9 月末の17 時15 分くらいから10 月
    末は16 時20 分と、日暮れが早まる。ねぐら
    入りも、17 時頃から16 時代と日暮れに合わ
    せて早まる。暗くなって、視認では計数不能
    となることもある。
 ②〔定点〕 通常は、次のA地点において行う。
  多人員が確保出来る場合は、Aに加えBとC
  地点の3 カ所で分担して計数する。
                   (分担区分図参照)
地点 20号19 線近くの三日月排水溝上の橋上。
     沼にねぐら入りするマガンを、おおよそ全
     方向に見渡せる位置。排水溝で東西を防風
     林で南北を区切って、数人での計数分担が
     しやすい。単人数計数するときにも使用。B
     及びC地点を併用する際は、北・東方面から
     の入沼雁群を担当する。
地点 センター近くの20 号20 線の交点。
    東と南方からの飛来を計数する。
地点21号20 線(案内看板近く)南側の農道上。
   西側からと南側のそれて入る分を受け待つ。
2  計数の方法
 ① 用具
双眼鏡 7~8 倍の、広く明るい視野が確保され
      るものを使用する。
計数器 (カウンター) ストロークが短く軽い力で
      働くものが望ましい。
その他 記録ノートとボールペン 時計 
      懐中電灯
 ② 方法
  (1) その日のマガンの餌場方向から飛び立っ
   た雁群を、双眼鏡等で発見する。予想時刻頃
   に、餌場方面を双眼鏡で巡望視すると見つけ
   易い。     (餌場は前もって調査しておく)
  (2) すぐにカウンターで、10 羽区切りパターン
   毎を計数する。10 羽を1単位の図柄として計
    数。※〔個体数を数えると、無風時でも時速80
    キロメートルで近づく雁の速さに動作が追いつ
    かずに計数不能となり易い〕
  (3) 可能であれば、飛来の方向を羽数及び時
    刻を記録する。
 ③その他
  夕刻は冬並に冷えるので、防寒対策が必要。