マガンの数が世界一  宮島沼といえば、やっ
  ぱりマガンである。マガンの大きさや首の長
  さは、白鳥と鴨の中間ほどだが、鴨類とはそ 
  の習性や生活に大きな違いが見られる。背た
  けは70cmもあり、オスとメスが同じ色をして
  見分けがつかない。北極に近い東シベリアの
  カムチャッカ半島の付け根付近が、日本に飛
  来するマガンの育雛場所らしいことが判りか
  けてきた。9月末には、家族そろって国内で
  は一番先に宮島沼に渡ってくる。日本で越冬
  してから、春にはもう一度ここ宮島沼に集結、
  北帰のためのエネルギーを補給する。6万羽
  を超えてマガンが見られる宮島沼は、非常に
  珍しい場所として世界中の注目を浴びるよう
  になった。
 マガンの習性 マガンの食物は、モミや草
 だけの植物性で、魚は食べない。警戒心が
 強く、採食時には見張り番がいて周りに気を
 配る。沢山の群れがいても、飛び上がるとき
 など家族は首を横に小刻みに振って合図し
 あい、いつも一緒に連れて親から受け継ぎ
 学習して体得した記憶を基に行動している。
 家族の絆を確かめるのか、いつも鳴き声を
 発しながら隊列を作って空を飛ぶ。
  マガンが飛来し潜在する条件は、安心して
 休むことが出来るねぐらの沼の存在とその
 近くの豊富な餌場という二つが満たされな
 ければならない。宮島沼は、国内ではこの
 条件を満足する数少ない場所としてマガンに
 認知されている。マガンたちは、周囲の田圃
 の『ほしのゆめ』で体力をつけると、ここからど
こにも寄らないで遠いシベリアまで飛行する。
飛ぶ速さは、時速80キロメートル、風にのると100キ
ロメートルもだしてオホーツクの海をひとっ飛びで超
えることが、電波発信器を装着した個体で判明した。
 沼の魚や貝
 沼には、フナ、コイ、ウグイ、ヤチウグイが沢山生息
している。繁殖時の雄の婚姻色が美しいタイリクバラ
タナゴという魚は、沼にいるカラスガイ(和名はドブガ
イ)の中に卵を生みつける。腹部の吸盤状になった
ひれで、水草に吸いつくウキゴリという小さな魚やス
ジエビもいる。これらは、カイツブリやアオサギ、ミコ
アイサ、カワアイサなど魚食性の水鳥の餌にされて
いる。