マガンとヒシクイ
  宮島沼に初雁が渡ってくるのは、毎年決まって9
月20日前後のことである。弱い北風に乗ってマガン
の数家族が姿を見せると幾日も置かずに群れが大き
くなり、稲刈りのコンパインの後を追うかのように落ち
穂を求めて水田に降下する。月末には、その数万を
越すようになる。近年、飛来が早くなってきた傾向は、
次の表や潜在グラフからも窺い知ることが出来よう。
 その理由は、巷間言われる地球の気象変動などの
環境変化によるものか、潜在期間の短縮は水田の
減反による餌場不足など人為的なものか或いは水
田の理由なのかまだ解明されていないままである。
 1998 年、日本海側では珍しいことに亜種ヒシクイ
を50 羽もみることがあった。この年、サハリンでは
山火事の多発があったので、そのことが雁の渡りル
ートを混乱させたのではないかという説も囁かれた。
 春にはよく姿をみせるオオヒシクイを、秋に探すの
は至難であり渡りコースの春秋の違いを感じさせる。
 白鳥 
 沼近辺上空では、10月下旬半ばの良く晴れた
日にコハクチョウの渡りが見られる。青空高く小さ
く組んだ編隊は、キラキラ輝きながら南へと数千羽
を数えることもある。それらの一部が、沼で短時間
休息してまた南へ向かって旅発ってゆく。オオハク
チョウは、雪がちらつく晩秋に立ち寄ることがある。
 鴨類
 9月ともなれば、土地で営巣したカルガモの家族
集団が集まってくる。10月1日からは、近郊での狩
猟が始まるので宮島沼は鴨類の『駆け込み寺』と
なる。マガンと同じ餌を採るオナガガモは、夜行性
でその現場を人に見られることは無く害鳥の汚名
はもっぱらマガンに被せられている.沼で暮らして
いるうちに、冬羽似変身していく過程をみることが
できる。同じ頃、コガモの大群が飛来することも
ある。秋も深まるとると、潜り鴨のミコアイサとカワ
アイサが隊列を作って『漁』をする。追われて流れ
込むと水路に逃げ込む鮒などの沼の魚には、無数
に突かれた白い傷が付いている。
 マガモも晩秋に多くなる鳥で、マガンが去った
沼面にはこれらにまじって小数のホオジロガモに
愛らしく姿を表わす。
年度 マガン オオヒシクイ ヒシクイ オオハクチョウ コハクチョウ 白鳥 鴨類 その他 ミコアイ カワアイ ユリカモメ アオサギ 年度
88 132 23 1 6 168 250 500 32      3 11 88
89 10,000 45 2 6 82 82 6,900 196   196 1 6 89
90 8,950 38 0 28 300 300 8,800 211   211 2 9 90
91 8,000 45 3 4 206 206 8,800 64   116 7 21 91
92 15,720 2 1 53 421 421 5,050 32 56 52 9 29 92
93 15,370 3 3 53 3,000 3,000 19,970 45    75 19 18 93
94 27,000 89 1 33 1,297 1,310 20,300 89 11 280 2 3 94
95 33,930 9 7 17 905 909 14,515 83 8 730 1 48 95
96 40,520 33 1 55 1,250 1,292 8,840 51 49 285 4 25 96
97 23,060 1 1 18 899 917 3,220 68 212 724 2 35 97
98 28,410 17 46 28 778 830 4,600 15 126 233 7 17 98
99 25,480 4 1 10 352 352 4,860 74 98 180 3 35 99
00 40,080 1 3 28 1,500 1,500 11,810 27 88 349 0 24 00
01 34,160 19 6 10 890 890 19,500 18 145 275 4 21 01
02 39,720 1 3 17 216 233 2,890 10 131 245 26 40 02