図 1-5-(1) 飛来数の増減(ガン類)
 ガン類では、マガンは、2000年の春が最大で57440 羽が確認された。個体数はある程度の上下がみられるものの、春秋ともに渡来数はほぼ経年的な増加傾向を示し、そのパターンは他種のそれとは大きく異なっている。ヒシクイは、通過総数そのものが少なく、1995 年春の81 羽が最大であった。
オオヒシクイでは1987 年春に606 羽が確認され、飛来数が極大に達したが、その他の年は概ね300 羽以下の横這いの状況を示している。なお、これら3 種はオオハクチョウと同様に春季の飛来が中心である。


図 1-5-(2) 飛来数の増減(ハクチョウ類)
 ハクチョウ類では、オオハクチョウは、1999 年春に630 羽の最大飛来数が確認された。春季においては、飛来数の年ごとによる変動幅は大きいものの、1992 年以降は概ね上昇の傾向を示している。秋季の渡来は小規模で、着目できる飛来数の増減はみられていない。飛来数は毎年春季が大きく秋季を上回っているところから、本種の飛来の中心は春季にある。コハクチョウは、1999 年秋の14570 羽が最大であった。秋季において、1994 年以降、ほぼ毎年急増傾向にある。春季に比べて飛来総数が顕著に高く、飛来の中心がこの秋季にある。春季は1987 年以降、やや上昇の傾向がみられたが、1993 年から減少傾向に転じている。なお、前記2 種において飛来個体数自体ではコハクチョウがオオハクチョウを大きく上回り、宮島沼に飛来するハクチョウ類の主体は前者にある。


図 1-5-(3) 飛来数の増減(カモ類)
※オレンジ線=マガモ ピンク線=コガモ 黄色線=オナガガモ 黄緑線=キンクロハジロ 水色線=カワアイサ
 カモ類では、マガモは、秋季、春季とも以前は注目すべき飛来数の変化はみられていなかったが、1990 年以降、秋季は増減の激しい飛来数変化を表し、2000年においては急増している。本種もまた、秋季飛来数が春季を大きく上回り、飛来の中心が秋季にある。コガモは、秋季で調査年ごとに増減の波が激しく毎年繰り返している状況が示されたが、オオハクチョウの春季同様、概ね全体としては上昇の傾向にある。オナガガモは、1995 年秋季をピークとして一山型に増減を示し、その前後は毎年小規模に増減を繰り返している。キンクロハジロは、概ね春季の飛来が多く、秋季、春季ともほぼ横這いな状況を示しつつも小刻みに飛来数の変動がある。1992 年から1994 年まで秋季の飛来数が春季を大きく上回る傾向が表れたことは特徴的である。カワアイサは、秋季では、1994 年から1998 年にかけて、二山型の増減が表れたが、1993 年以前、1999 年以降では小範囲の増減を繰り返している
以上から、主要な水鳥類の飛来状況の特徴を概要として整理すると以下のとおりである

飛来は秋季が中心のものとして、コハクチョウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ホシハジロ、ミコアイサ、カワアイサ、春季が中心のものとして、オオハクチョウ、マガン、亜種ヒシクイ、亜種オオヒシクイ、キンクロハジロとに概ね分かれるが、ハシビロガモについては秋春を通して少数通過に留まり、2 つの傾向から逸脱する。また、ヒドリガモ、キンクロハジロは、傾向の概要は把握されるが、その差は小さい。
飛来中心期以外の渡来シーズンは中心期に比べ顕著に飛来数を減じ、横這い傾向を続けている。
対象としてあげられたカモ類は総じて年度毎の飛来数変動幅が大きいこと、などが示されている。

飛来中心期以外の渡来シーズンは中心期に比べ顕著に飛来数を減じ、横這い傾向を続けている。
対象としてあげられたカモ類は総じて年度毎の飛来数変動幅が大きいこと、などが示されている。
 また、宮島沼の湖面利用状況を調査した最新の調査報告書である野生総研(2002)から主要な水鳥類の特徴的な湖面利用状況として、マガン(秋季)、コハクチョウ(秋季)、オオハクチョウ(春季)、オナガガモ(春季)の都合4 種の状況を示すと図1 ─6(1)~(4)のとおりである。以下に、現状の分析と考え得る要因等について整理する。
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