ノリウツギ

草野貞弘(宮島沼)
ユキノシタ科
ノリウツギ 


【草野先生のワンポイント講座】
沼北側の林では、初夏になると白一色で房になった花を咲かせます。アジサイに似ていますが、色変わりはしません。有名な歌に出てくる「サビタ」は、この木の別名です。昔、樹皮から採れる液を、紙をつくるときのつなぎ糊としたのでこの名がつけられました。

【その他の特徴】
・日当たりの良い原野や山地に生える落葉樹
・伐採地などにいち早く生える、高さ2~3メートルの低木
・日本全国、サハリン、中国などに分布
・枝を水に漬けると、外皮の下にある軟らかな内皮から粘液が出る
・その糊は、サビタ糊(北海道糊)ともいわれ、戦前まで良く使われた
・糊がとれて、中心に太い髄が通っているので、「糊空木(ノリウツギ)」
・別名の「サビタ」は、東北の方言が北海道に伝わった後に広まったという
・伊藤久男と森昌子の歌に「サビタの花」という作品がある
・アイヌの人たちがつくる「サビタのパイプ」は根を使っている
・アジサイの仲間で、よく似た白い花が7~8月に咲く
・見事に見えるのは実は「装飾花」で、本物の花は目立たない
・装飾花は結実はせず、冬になっても枝先に枯れて残る
・乙女に恋をした若者が、「このサビタの花が散るときがきたら…」と返事をされ、待ち焦がれていたが、花は散らず恋が実らなかったという昔話がある。
・「花さびたとは美しくうら淋し」 伊藤柏翠