ヒシクイ

写真:天野達也(ウトナイ湖)

写真:牛山克巳(宮島沼)

写真:牛山克巳(奈井江茶志内沼)
カモ目/カモ科
ヒシクイ
亜種オオヒシクイ Middendof's Bean Goose (普通)
亜種ヒシクイ Eastern Bean Goose (稀)

地味だけど、大きくて存在感のあるガンの仲間。日本には亜種オオヒシクイと亜種ヒシクイという2亜種が渡来する。オオヒシクイはユーラシア大陸の林が多いタイガ地帯、ヒシクイはそれより北の開けたツンドラ地帯で繁殖する。オオヒシクイは新潟県福島潟、新潟県佐潟、滋賀県琵琶湖など日本海側の湖沼で、ヒシクイは宮城県北部で主に越冬する。

【生活】オオヒシクイとヒシクイでは、生活空間や食性が異なり、それぞれの生活に適した体のつくりをしている。オオヒシクイは、ヒシやマコモなどが多い沼や湖などで終日過ごすが、ヒシクイは田んぼや畑などの開けた空間を好み、夜間もそうした場所で過ごすことがある。近年、自然度が高い湖沼が減ったためか、オオヒシクイも田んぼなどの開けた環境に出てくることが多くなった。
もともと「ヒシクイ」とは、「ヒシの実」を好んで食べることからつけられた名前であるが、英名と学名はユーラシア大陸で広く栽培されていた「豆」をよく採食していたことからつけられた。人々がどの亜種をみてその名を付けたのかを想像するのもおもしろい。

【声】オオヒシクイは、”ガハハン、ガハハン”と低く太い声で鳴き、ヒシクイは”ギャハハン、ギャハハン”と金属的な声で鳴くが、マガンほど甲高い声ではない。

【見分け方】くちばしは黒く、先端付近がオレンジ色。マガンよりひとまわりかふたまわり大きい。オオヒシクイとヒシクイの区別は慣れないと難しいが、顔つき、首のながさ、声が重要な識別点となる。オオヒシクイは、首がながく、くちばしから頭にかけてのラインが平坦なため、のっぺりした顔つき。ヒシクイは、首が短く、くちばしも厚くて短く、全体的にずんぐりしている。

【宮島沼での見頃】秋と春。オオヒシクイは春には数十羽の群れを見かけることが多い。、ヒシクイの数は少なく、見かけない年もある。道内では、オオヒシクイは内陸部、ヒシクイは太平洋岸を通過し、砂川の袋地沼、奈井江の茶志内沼ではオオヒシクイが多くみられる。