● マガンの最大飛来数、過去最高の48,500羽
 今秋は9月18日に初雁を迎え、10月2日には飛来のピークを迎えました。ここ数年は10月初旬と中旬の2山型の飛来になることが多いのですが、今年はその最初の「山」に飛来が集中し、秋の飛来数としては過去最高の48,500羽を数えました。9月20日前後に初雁が現れて、10月20日を過ぎるとほとんどマガンは見られなくなるという傾向は例年通りでした。
● 標識マガンが教えてくれること
 「5V3」という首輪標識を付けたマガンを初めて宮島沼で観察しました。調べてみると、「5V3」はマガンの繁殖地であるロシアのアナディルで1992年に標識された個体と分かりました。調べた範囲では今回が標識されてから初めての確認で、今までどこで越冬していたかは謎ですが(国外の可能性が極めて高い)、こうした事例が積み重なることで初めてマガンの渡りの全体像が掴めることになります。また、標識された時点で成鳥であった「5V3」は、少なくとも16歳以上ということもわかり、マガンの寿命に関する重要な記録となりました。
  上のグラフに頻繁に観察された標識マガンの滞在期間を示しましたが、飛来期の前半と後半でマガンが入れ替わっていることがわかります。過去の記録を見ても、飛来期を通じて滞在するマガンは希です。なぜでしょう?飛来が早いマガンと遅いマガンは何が違うのでしょう?こうした点が明らかになる日も近いのかも知れません。
● 早朝のマガン観察に注意!!
 春のトピックスにマガンの飛びたち時刻が早くなったことをご紹介しましたが、それは秋についても言えそうです。ただその理由は異なり、秋の場合は「観察者」が原因になっているようです。まだ辺りが暗いうちから人が沼に近づくと、マガンは驚いて飛びたち、そのほとんどはまた沼に降りるのですが、遠くにぎっしり集中してしまいます。こうなると、その後の飛びたちも迫力を失ってしまいます(写真)。暗いうちは沼に近寄らず、明るくなってからゆっくり近づけば、マガンにもストレスがかからず、迫力のある飛びたちが見られます。ご理解の上ご協力ください。
● 秋のハクチョウ
 ハクチョウを楽しみにいらっしゃる方がいますが、秋の宮島沼には少数のハクチョウしか飛来しません。しかも、朝に飛来した群れはその日の夕方には飛び去ってしまうという具合に、その滞在期間は極めて短いのです。ただ、換羽を終えたばかりのハクチョウは純白と言えるほどの美しさです。今年は10月5日に10羽のコハクチョウを初めて観察し、10月21日には今季最大の585羽を記録しました。ハクチョウの群れが大きくなる時期には初霜も降り、一段と冷え込みが強まります。ハクチョウは宮島沼に冬の到来を告げてくれるのです。

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