● 渡り鳥の飛来は早かったのか??
今年は雪が少なく、渡り鳥の飛来も早いのではないかとよく聞かれましたが、実際にはどうだったのでしょうか??
 例年であれば、4月中旬に田んぼの雪がグングンと溶けだし、やがて宮島沼を覆っている氷が完全になくなります。そして、田んぼの雪解けが進んでいる時期にハクチョウがピークを迎え、宮島沼の氷が溶けるとマガンが集結します。

 それに対して、今年は4月初旬から田んぼの雪解けが進み、
ハクチョウの飛来は一週間程早かったようです。ただ、宮島沼の氷が完全に溶ける「沼開け」は4月14日と例年通りだったため、マガンに関しては、飛来が早いということもなく、例年通りと言えそうです。

2007年春季の宮島沼におけるマガン及びハクチョウの飛来数変化(宮島沼水鳥・湿地センター、東京大学グースプロジェクト調べ)。ハクチョウは、コハクチョウとオオハクチョウの合計羽数だが、大半はコハクチョウ。

● マガンの行動に変化あり!?
どうも最近マガンの様子が変です。


 何が変かというと、2~3年前まではマガンは日中も宮島沼に戻ってきて休息をとっていたのですが、最近ではほとんど日中は宮島沼に戻ってこないのです。以前は、4月下旬には日中でも4万羽、5万羽のマガンが沼を埋め尽くす光景を毎日のように見られたのですが、今年は2,3日だけ。しかも、1~2万羽だけでした(右写真)。

 それだけではありません。よくよく調べてみると、マガンが早朝に宮島沼を飛び立つ時間も昔に比べて断然早まっているのです(下グラフ)。どうも、最近マガンが田んぼで過ごす時間が長くなってきているようなのです。


 さらに、3年前までは、4月下旬になるとマガンの数は5万羽を超え、最大6万5千羽にもなっていたのですが、2年前からは5万羽を超えることは少なくなり、今年は最大でも5万7千羽でした。
 マガンが一日の中でも、また、飛来期を通して宮島沼を利用しなくなっているということは、何を意味するのでしょうか??

 生き物がある場所からいなくなるということは、その場所が居にくくなったためか、他の場所が居やすくなったためだと考えられます。詳しい解説は避けますが、宮島沼のマガンの場合、その両方が理由として考えられそうです。


 一方、宮島沼のマガンは過密状態であることを考えると、マガンが少しずつ分散するということは、さみしいけど、歓迎すべきこととも言えます。
2000年及び2007年の宮島沼におけるマガンの飛びたち時刻の比較。飛びたち時刻は、湖面にいるマガンの1/3以上の個体が一斉に飛び立った時刻とした。
● 多かったオオヒシクイとオジロワシ
今年の春、例年になくたくさんのオオヒシクイが滞在しました。オオヒシクイは、ヒシという水草の実を食べるガンで、袋地沼や茶志内沼という沼には多いけど、宮島沼にはそれ程多くない鳥です。それが今年は最大200羽も宮島沼に飛来し、突堤付近の観察しやすい場所でヒシの実を食べていました。ヒシの実には堅くてするどいトゲがあるのですが、それを口の中で転がしながらとって、丸飲みしているようでした。オオヒシクイに関するおもしろい情報はココにありますので、ぜひ見て下さい。

他にも、今年はオジロワシがよく見られ、カモやガンを驚かしていました。近くの沼に9羽もいたこともあって驚いたのですが、もしかしたらこのあたりでも営巣するかもしれません。


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